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自主トレテキスト抜粋(10)バンカー(5最後)

距離のコントロール
バンカーショットで距離をコントロールする方法には、次のような5つがある。

  • 入射角度(アングル・オブ・アプローチ)
    距離が短い時は急角度で、距離が長くなれば浅い角度で。
  • ブレードポジション
    短い距離には、フェースをオープンにするか、フェースを寝かせてロフトを大きくする。長い距離には、フェースをクローズにするか、かぶせてロフトを小さくする。(注:芝からのショットと同様、ボールの位置によってロフトは変わる。右寄りにすればロフトは小さくなり、左寄りにすればロフトは大きくなる。)
  • バックスイングの大きさとペース
    大きいバックスイングは、小さいスイングよりもっと大きな力を生み出すことができ、ボールをもっと遠くへ飛ばすことができる。一方、ペースも同じように結果に影響を与える。ゆっくりとしたペースで大きなバックスイングをする、もしくは速いペースで小さいバックスイングをすることで、小さいスイングでも大きなスイングと同じだけの距離、あるいは更に遠くまで飛ばすことができる。このように、ペースとバックスイングの大きさをうまく組み合わせることが必要である。
  • 砂の量
    ボールより後ろ(4~6インチ)を叩いて砂を多くとれば距離の短いショットになり、ボールの近く(1~3インチ)を叩いてとる砂の量を少なくすれば距離のあるショットになる。しかし、心に留めておいてほしいのはボールの近くをヒットすると距離は出るがスピンも多くかかり、ボールは地上で早くに止まってしまうことを覚えておきたい。
  • フォロースルーの大きさ
    短いフォロースルーは、大抵インパクト時にスピードが落ちた結果であり、大きいフォロースルーはスピードがあり距離も出ていることの現れである。どちらにしても、バックスイングの大きさはフォローすると同じくらいにするべきである。
    難しい場所からのスペシャルショットを打つ場合には、しばしば上のコントロールスタイルを二つ以上組み合わせて使うことが必要になる。

★フェアウェイ・バンカーショット
ボールがフェアウェイ・バンカーの中にあり、ショットの目的が距離を得ることであれば、基本的な原則が変わる。通常の“グリーンサイド・バンカー”ショットだったら、必ず先に砂を捉えるようにしなければならないが、“フェアウェイ・バンカー”ではボールが先となる。色々な調節の多くはそのためのものである。
まず、フェアウェイ・バンカーのあごを安全に越すには、それに十分なロフトのあるクラブを選び、以下のような調節をする。
まずライを確認する。良いライなら、あまり調節を加えずに通常のスイングをするまあまあのライなら少し角度のあるスイングにする必要があり、ひどいライの場合は、フェアウェイに出すだけにする。

  • 足元を、特に右足をしっかりさせる。
  • 砂に足を入れた深さと同じ分だけクラブを短く握る。
  • ボールポジションはスタンスのより中央寄りへ。
  • 普通のショットのようにややハンドファーストにして、ひざはあまり深く曲げずに、すっと立った感じにする。
  • ガラス板の上のボールをほうきで掃くかのようにショットする。

「ボールの中央線より下、砂より上」の位置でボールとコンタクトするというイメージを描くとよい。もしライが悪く、もっと急角度にクラブを振り下さなければならない場合は、クラブフェースをややオープンにして、左にエイムをとり、一番手大きいクラブを使う。そうすれば、トーが先に来てクラブが深く砂に入ることなく、ヒールが先に来てバウンスしやすくなる。

  • グリーンサイド・バンカーでするように、ボールより後ろに想定したスポットを見るのではなく、ボールのフロントエッジ(左縁、つまり狙っている方向の縁)を見るか、ボールより少し前方を見るくらいにすると、確実に砂より先にボールにクラブをコンタクトさせることができる。

バンカーでの心理学
失敗するのではないかという怖れを抱くと、筋肉には緊張が生まれる。
この緊張は筋繊維を収縮させ、身体に力が入る。身体に力が入ると、スイングが自由にできなくなり、ショットが成功する確率は下がる。否定的に考えたり悪いイメージを描いたりすると、バンカーで良いスイングができなくなってしまう。
気楽にリラックスし、そしてまた上手にバンカーショットができるという自信がなければそのリラックスもできないのである。

自主トレテキスト抜粋(9)バンカー(その4)

グリップ
普通の、いわゆる“スプラッシュタイプ”のバンカーショット(砂と一緒にボールを出すバンカーショット)の場合、手の位置はサンドウェッジのフルショットと同じにする。しかし、手のポジションはそんなに単純ではない。

フワッとした柔らかいバンカーショットを打つ場合、クラブのトーがヒールを越してしまい砂にクラブが深く入り込まないように、左手を逆時計回りに(つまり左肩の方に)まわして“オープンフェース“ポジションにしてからグリップをする。これはワンナックル・グリップと言い、このグリップにすると、インパクトの時にフェースがかぶるのを確実に防ぐことができる。

手を普通のグリップポジションにする前にフェースを大きくオープンにしてから握ると、やはり同じような効果が得られる。どちらのやり方で調節をしても、その目的はトーがヒールを越えてしまわないようにするためである。もし、クラブが砂に触れる前にトーがヒールより先に出てしまうと、クラブはバウンスせずに砂にもぐることになる。

グリップ・プレッシャーは
プレーヤーが腕と身体を良く使うタイプか腕と手をよく使うタイプかによって変わる。また逆にタイプの違いがそのグリップ・プレッシャーを決めることにもなる。
強めに握るとあまり手を使わないようになる軽く握ると逆に手をよく使うようになる。

しっかりとした強めのグリップが良いという人は、このスタイルの方が安定した結果が得られるし、ずっと正確に打てると言う。軽いグリップが良いと言う人は、良いタッチや感触が得られると考えてそのやり方を選んでいる。どちらにするかは単なる好みによる。しかし、現代の一流プレーヤーたちには、手を使うより腕でスイングする人の方が多い。

エイム
エイムの原則については二つの異なる説がある。

  • サンドウェッジのフェースをスクエアにして、身体もターゲットラインに対しほぼスクエアに構える。全てのショットにおいて、ターゲットライン通りにスイングをする。このスイングスタイルの形と方向は、通常のピッチショットと同じようになる。
  • クラブフェースを除く全てをターゲットラインの左にエイムし、それから身体のラインと平行に、つまりターゲットラインの左にスイングする。しかし、クラブフェースはオープンなので、ボールには少しスライススピンがかかりターゲット方向に送り出される。どちらも効果的なやり方である。

もしインパクトでフェースをクローズにする傾向があり必要以上にクラブが砂に深く入ってしまうのなら、「左を狙い、フェースはオープンで、急角度なスイングでターゲットラインと交差するような打ち方」の方が効果的だろう。このやり方の方が一般的に教えられているテクニックである。クラブが砂に深く入りすぎて結局ボールがバンカーから出ないと言うようなとんでもないミスが起きる可能性が少ないテクニックだからだ。

しかし、スイングが急角度すぎても、また問題である。つまり、入射角度が急すぎると、クラブが単に砂に埋まって、ボールに十分な力が伝わらずバンカーから出せないのである。この急角度すぎるディセンディング・ブローは、特に荒れたバンカーや固いバンカーでは危険が大きい。クラブがボールの下に滑り込まずに砂の表面で急にバウンスしてブレーディドショット(トップボール)になり、グリーンをオーバーしてしまうことがある。

バンカーから飛び出す時のボールの方向を決定するのが何かについて。
様々な意見がある。スイング軌道(パス)、もしくはクラブフェースがボールの方向を決定するのだろうか。スイング軌道だと唱える人は、クラブフェースは直接ボールに触れないのだからボールの飛ぶ方向に影響しないと主張する。一方、クラブフェース派は、インパクト時のフェースの向きと同じ方向にボールが飛んでいくと思っている。正しい答えは、全てのゴルフショットに共通するものである。つまり、方向はパスとフェースの組み合わせによって決定される。しかしながら、バンカーショットはスピードのあるショットではない(砂が力を和らげ、クラブヘッドのスピードが遅くなる)のでボールの方向はパスよりもフェースの向きによって決まってくる。もしクラブフェースをクローズにして砂を打てば、砂の粒は左に飛んでいく(リバウンドの法則)。フェースをスクエアにしたなら、砂は真っ直ぐに、フェースをオープンにすれば砂は右に行く。同じように、フェースポジションはボールの方向をも決定する。砂の飛ぶ方向を見れば、ボールがどの方向へ飛んでいくのかを知ることができる。

スタンスをオープンに構え、左にエイムを定めれば、入射角度がより急になり、ブレードがボールの下に入りやすくなる。飛球線に対しインサイドからのスイングをする人は、より浅いダウンスイングプレーンでクラブヘッドが降りてくるので、ボールの下から砂をとることなくクラブのリーディングエッジをボールの中心に直接当てる可能性(トップボール)が高くなってしまう。

エイムを左にとったのに合わせてクラブフェースをオープンにすると、インバージョンがより大きくなり、ソールをもっとバウンスさせることができる。このやり方だと、クラブが砂に深く張り込んで、ヘッドが止まり、その結果ボールにほんの少しの力しか伝わらず、バンカーから出せなくなるということを防げる。

セットアップ
かなり力強いスイングをするなら、足をしっかりと固めることが大切である。スイングの土台が弱く、両足が動いてしまうと、恐らくミスショットになってしまうだろう。だからセットアップにおける第一歩は、まず足をしっかり砂に入れることである。こうすると、ゴルファーの両足はボールよりほんの少し低くなり、クラブヘッドがボールの下にすっと入り、通りやすい高さになる。

ボールの位置は前の方へ、つまり左足内側のライン上に置くべきだとは多くのプレーヤーが揃っていうことだ。

しかし本当に大切なのは、身体の中心から下ろした垂線に対してどこにするかということである。アドレスで体重を右サイドにかけるプレーヤーは、ボールを両足の真ん中にする傾向がある。

逆に左サイドにかける人、ボールはもっと左にするだろう。

つまり、垂直に下ろした身体の中心線から4~6インチくらい左である。しかし、もう一度言うが、スイングに伴ってどのくらい左から右への体重移動を行うかによっても、ボールの位置は変わってくる。

ボールを左にするだけでなく体重も左に多くかける人は、入射角もより急になり、身体がボールの近くになるので、ソールの広いバウンスタイプのサンドウェッジを好むだろう。

体重を両足均等にかけるバランス取れたセットアップポジションをとる人、もしくは右サイドにかける人は、より浅いスイングになり、砂を長く薄くとるだろう。

こういうスタイルをする人は、普通、狭いフランジのサンドアイアンを選ぶものである。

スイング
これまで見てきたように、グリップ、エイム、セットアップがスイングスタイルに影響を与え、そして、そのスイングスタイルはプレーヤーによって違う。しかし、スイングの形もまた違うのである。ある人は早くリストコックをし、スイングを急角度に降ろし“V字型”のスイングをつくる。普通のピッチショットのようにクラブをスイングする人は、“U字型”のスイングをすると言える。

急角度の“V字型”スイングをするとボールは高く上がり、柔らかく、距離はあまり出ないのに対し、“U字型”スイングは、低い弾道で、同じくらいの距離を少しの力で出すことができる。

“U字型”スイングをするイメージは砂でできた大きな皿の中でスイングするイメージ、“V字型”スイングは、大きなティーカップの中でスイングするイメージを持つ。このふたつのスイングの形の違いは距離をコントロールする方法のひとつである。

ピッチショットのフルスイングのように、スタイルのひとつとして、手と手首はしっかりと固定し、身体の動きを沢山使ってバンカーショットをするプレーヤーもいる。あるいは、もっと緩いグリップにし、手首と腕を積極的に使うスイングをする人もいる。

筋力の強さによって選ぶべきスタイルは変わってくる。安定したスイングをするには筋力が必要である。筋力があればしっかりとしたグリップで身体を十分に使ったスイングをし、筋力があまりないプレーヤーであれば、グリップは少し緩めで、腕を使ったスイングスタイルを選ぶのが普通だろう。これらは一般的な考察であって、例外も沢山あるということも心に留めておいてほしい。

自主トレテキスト抜粋(8)バンカー(その3)

■バンカーの学習目標

  1. アドレスではフェースをややオープンに構える。
  2. オープンにしたフェースポジションの影響を少なくするよう、身体のラインもオープンにする。その結果としてスイングはより急角度になる。
  3. 身体のエイムに対しては並行、かつターゲットラインに対しては交差するようなスイング軌道で、バンカーから砂を弾き飛ばしてグリーンに乗せる。
  4. フォロースルーの大きさは、バックスイングの大きさと少なくとも同じくらいにする。
  5. 他のショットと同様、フィニッシュでは体重は左足。

■バンカープレーにおける優先順位

  • サンドウェッジのデザインを理解する。どういう機能なのか、そして間違った使い方をすればデザインの効果が生かせないことを理解する。
  • 砂の状態とライを判断し、それによりクラブの選択、ショットのタイプ、セットアップとスイングでの調節の仕方を決定する。
  • グリップ、エイム、セットアップ、スイングテクニックにおいて、様々な調整の仕方を学ぶ。
  • 飛距離をコントロールする要素、つまりスイングの大きさ、ペース、フェースの向き(ブレードポジション)、入射角(アングル・オブ・アプローチ)、とる砂の量を、経験を積んでつかむ。
  • 練習やドリルをすることで、グリーンサイド・バンカーでもフェアウェイ・バンカーでも、様々な状況に合わせて打てるようにその方法を身につける。

■スタイルを選ぶ

バンカースタイルの好みは、良いプレーヤーの間でも千差万別である。だから誰にでも合うシンプルなバンカープレーの方法を見つけるのはとても難しい。簡単な方法として、芝の上からの普通のピッチショットと似たやり方で。

ボールはピッチの時よりスタンスの左寄りにする。身体の向きはピンの左を指しバックスイングはもっと急角度に上がり、クラブはボールの位置より後ろに入る。

自主トレテキスト抜粋(7)バンカー(その2)

■グリーンサイド・バンカーショット

バンカーショットには色々と効果的なスタイルがある。次のように様々なやり方を見たり、聞いたり、読んだりすることだろう。

例えば「飛球線に沿ってプレーせよ」「飛球線と交差するようにプレーせよ」「手首のコックを早く使え」「通常のピッチショットのリストコックをせよ」「体重は左寄りに」「体重は右寄りに」「ボールの1インチ後ろを打て」「ボールの6インチ後ろを打て」「ボールは左踵近くに置け」「ボールは両足の真ん中に置け」「急角度に入るV字型のスイングをせよ」「普通のU字型のスイングをせよ」「サンドショットの時にはいつでも同じ長さのバックスイングをとれ」「ショットの大きさに合わせてバックスイングの大きさを変えよ」「フェースは初めスクエアにしてフィニッシュではブロックせよ」「フェースは初めからオープンにして普通のリリースをせよ」
こうして挙げていくときりがない。

ここで述べるテクニックは多分かなり多くのプレーヤーにとっても、一番簡単で安全かつ信頼できるものだろう。もちろん、大変に個性のあるスタイルを身につけているバンカーショットの天才はこれまでもいたし、今後も現れるだろう。しかし、彼らのスタイルを一般のプレーヤーが真似るのは難しい。立派なゴルフ指導者や一流プレーヤーの多くが認めるテクニックとは次のようなものだ。
■グリーンサイド・バンカー(ボールが浮いている場合)

  • スイングをしっかりと支えるように足場を固めて滑らないようにする。但し、深くし過ぎないようにする。距離のあるショットの場合は、足場をよりしっかりさせる。
  • バックスイングの大きさが制限され、そしてより急角度なスイングになるように、オープンスタンスに構える。
  • アドレスポジションに合わせてクラブフェースをオープンにする。
  • 通常のショットでは、アドレス時のウェイト・バランスは、左足加重でスタートする。
  • クラブをカット・ピッチショットのフルショットと同じように振る。そのショットに必要な力に合わせて、バックスイングとフォロースルーの大きさを変える。
  • ボールの2から4インチ後ろの砂を叩く。とは言っても、それより少し遠くても近くてもショットはうまくできる。
  • 少なくともインパクトを過ぎるまでフェースをクローズにしない。(トーがヒールをより前に出さない。)
  • ボールを通りすぎ、普通にフィニッシュを終えるまで、スイングの加速を続ける。

■グリーンサイド・バンカー(ボールが砂に埋まっている場合)

  • スタンスにおいては通常のサンドショットよりもボールを右寄りにする。これはクラブフェースが砂により深く入るようにするためである。
  • もしボールが深く埋まってしまった場合は、クラブのトーを内側に向けることでナイフのように鋭くリーディングエッジを使えるようにし、クラブが砂に入りやすいようにする。もしくはピッチングウェッジを使う。
  • インパクトまで十分に加速をし、衝撃力でボールがバンカーの外にはじき出るようにする。フォロースルーをとる必要は必ずしもないが、とれば強い力を持続しやすい。
  • 距離が長めで埋まったライなら、ピッチングウェッジか9番アイアンの使用を考慮する。

スイング中のインパクト前にフェースをクローズにしたりかぶせたりすると、サンドウェッジの本来持っているバウンスの利点を生かせない。間違いをしてしまうプレーヤーから、ふたつのミスの原因が学べる。

・クローズドフェース・グリップ(ストロング・グリップ)にしているか、

・アドレスでヘッドが手より先に出ているかだ。

自主トレテキスト抜粋(6)バンカー(その1)

バンカーショットについては、かなりが外開設になるので小分けにして投稿します。飽きずに読んでくださいね!きっと役に立つはずです!

★バンカープレー
普段勇気のある人でも恐れを感じてしまうショットが、バンカーショットである。しかし、5回もPGA選手権で優勝したウォルター・ヘーゲン(Walter Hagen)は言った。「バンカーショットはゴルフで最も簡単なショットだ。ボールを打たなくてよいのだから」と。

しかし、バンカーショットに必要な知識と技能がなければ不安になる

「テクニック不足に自信の無さ」が組み合わさると、殆ど失敗するに決まっている。しかしながら、バンカープレーの原則を(そしてサンドウェッジのデザインも)理解している人なら、ある程度練習すればバンカーショットというのは楽にできるようになるものなのだ。

用 具
1931年以前、ゴルファーにとってグリーンサイド・バンカーで砂に浮いているボールをうまくショットするのは、とてつもなく難しいものだった。ボールの下の砂を叩いてボールをグリーンに乗せるショットを、ブレードの薄いニブリックでやるのは繊細な神経と技を必要とした。しかし、1931年の冬、フロリダ州ニューポートリッチーで、それを変える出来事が起こった。ジーン・サラゼンがあるアイディアを思いついたのだ。夏に全英オープンに出場することになっていた彼は、そこで出会う数々のバンカーと自分のバンカープレーについて考えていた。飛行操縦訓練を受けていたある日、飛行機のテール部分を上げるには逆にテールのフラップの昇降舵部分を下に向けなければならないということに彼は気づいた。この訓練の後でサラゼンは機械部品店に行き、何本かのニブリックのソールに鉛をつけてもらった。重さやロフトを少しずつ変えながら何百回もの試打を繰り返し、ついにサンドショットに使えそうな解答を見つけ出し、満足であった。1932年の全英オープンではそのクラブでこっそり練習し、クラブヘッドを隠すためゴルフバックの中にそのクラブを逆さまにして入れ、そして、それをホテルの部屋に持ち帰った。そして、素晴らしいバンカープレーのお陰で、その年サラゼンは全英オープン、USオープン共に優勝した。そしてその秘密が皆に知れ渡り、ひとつの新しいクラブが生まれた。バウンスソールのサンドウェッジである。

正しく設計されたサンドクラブはクラブが砂に深く入るようにではなく。上を滑る、またはバウンスするようにデザインされているのだ。ソール、もしくはフランジには次のような3つの大きな特徴がある。それらは、1)ソール・インバージョン、2)キャンバー(ソールの丸み)、3)幅である。幅の広いフランジ、インバージョンソール、大きいキャンバーは、どれもクラブが砂に深くに入らないようにするための工夫である。

<自主トレテキスト抜粋4>

ピッチの基本
チップからピッチへは簡単に移行することができる。ピッチングウェッジでチップと同じワンレバー・ストロークをする。目的は高い弾道を得たいのだから、身体の中心線はちょうどボールの真上にくるようにしよう(ボールのライが良いならば)。そうするとクラブのグリップエンドは少し右に戻り、クラブフェースにもう少しロフトを与えるようになる。

チップストロークは「腕で上げ、腕で振る」、ピッチストロークは「手と腕で上げ、腕で振る」。グリップ・プレッシャーが強すぎなければ、意識的に力を加えることなく両手でフェースをスクエアに戻すだろう。また「ボディ・チップ」とか「ボディ・ピッチ」と呼べるようなチップとピッチの両方に共通するスタイルもある

 ★そのルーチンは5つのステップから成り立つ。見渡す・・・ライ、地形、状態のチェック。

  • 視覚化する・・・打とうとするショットとその結果を頭に描く。
  • リハーサルする・・・練習スイング、もしくは頭の中でスイングしてみる。またはその両方行う。これだという感覚がつかめるまで。
  • 実行する・・・リハーサルした通りのスイングをする。
  • 評価する・・・ショットが良かったら、頭の記憶バンクに貯金をしよう。ミスショットだったら、正しい練習スイングを一度する。

<自主トレテキスト抜粋3>

チッピングとピッチング
PGAツアーやヨーロッパPGAツアーで活躍する世界の一流プロゴルファーでも、1ラウンドでパーオンする平均確率はほぼ13ホールである。ということは、1ラウンドにつき4回から5回はパー・セーブのためにチップかピッチを正確にしなければならないことになる。このクラスの競技になると、1ラウインドで1ストロークの差はシーズン獲得賞金にして5万ドルから50万ドルの差になりえるのだから、その違いは歴然たるものである。
ただ楽しみのためのゴルフをするハンディキャップの多いプレーヤーなら、1ラウンドでパーオンはせいぜい「2つか3つくらい」だろう。となると、ショートゲームの出来がスコアを左右する可能性を大きくする。たとえば、1ラウンドで12回ほどピッチかチップをする場面があとしよう。たった50%の確率でもそこから3打ではなく「2打でホールアウト」できれば、1ラウンドで6ストロークは縮められることになる。ゴルフを職業にしているプロフェッショナルであれ、グリーン周りショット技術が上達すると、スコアップに大きく影響する。

チップとピッチ・・・その違い
一般的に表現されているのは、ピッチとは「地面上より空中時間の方が長いショット」つまり高く打ち上げるショットで、転がりより空中を飛んでいる距離の方が長いものである。
逆にチップとは、「空中より地面上の方が長いショット」で、短い距離を飛び、その後長い距離の地面上を転がるものだ。弾道ということで言えば、すなわち「ピッチは高く、チップは低い」となる。スタイルからもこの2種類のショットを説明することができる。チップは通常、手首を固定したワンレバー・ストローク、一方、ピッチは少し手首のコックが加わりツーレバーを形成する。これは、絶対とは言えないが、一般的に正しい見方と言える。
チップとピッチの使い分け
「まず、パットでいけるかどうか。パットでは無理ならチップをし、ピッチは、それ以外に方法がない時にだけする最後の手段とする。」
この言葉の裏には、ボールを高く上げるより、転がす方がやさしいという基本的な考えがある。バックスイングを大きくとり速度が上がるほど、ミスが起こる可能性も増えてくる。

自主トレキャンプテキスト抜粋2

■コースマネージメントと心理学に関するその他のアドバイス

  1. 1番ホールでティーを地面に刺した瞬間から、スコアを数える。さもなければ、スイングしないことだ。
  2. 状況は必ずしもコントロールできないが、状況に対する自分の行動はコントロールできる。同じように、勝敗は必ずしもコントロールできない。コントロールできるのは、最善を尽くすか否かのみである。
  3. トーナメントゴルフというのは一種の幻想である。仲間との娯楽的なラウンドと競技ラウンドの相違があるとすれば、自分自身の気持ちだ。
  4. 競技でチャンスを得るのはどんな時か。それは最悪の結果が起こりそうな時、そのリスクを受け入れる時である。
  5. 各ショットの直前からショットをする間、左脳(意識)を遮断して右脳(感覚)の能力を開放することは、各ゴルファーの精神レパートリーのひとつとして必須の要素である。
  6. コースではいつでも距離を確認すること。そして自分の距離を正確に知っておくことだ。
  7. ツアーに出るようになって1年経過したプロが「何を学びましたか」と尋ねられて、最も多い答えは「忍耐、ゲームプランに忠実に従い、バーディーや幸運が来るのを待つこと」である。
  8. 緊張を解く最上の戦略の一つは、広い視野に立って物事を見ることだ。人生という大きな観点からすれば、取るに足らないことである。リラックスして飛ばそう。
  9. 失敗に伴う苦痛が大きければ大きいほど、鮮明な印象が生じる。この事実により、プレーヤーは失敗を重ねると、プラスイメージの流れが保ちにくくなる。
  10. すべてのチャンピオンに共通する秘訣は訓練だ。訓練とは、「本当はやりたいことをやらないこと」である。
  11. 相手がリードしている時ほど相手は弱い。
  12. 今の一打をプレーすることの大切さは誰でも知っているのに、それは滅多に実践されていない。
  13. 真っ直ぐ打っていても、さほど違わないのに、林や池をかかえたドッグレッグのコーナーを“ショートカット”しようとして、ダブルボギーの原因を作ってしまうことが多い。
  14. コースマネージメントの基本
  • ティーアップでは平らな場所を見つける
  • トラブルのある側にティーアップし、安全な反対側へショットをする。
  • パー3(ショートホール)ではティーを使う
  • ホールを通る時、ピンの位置を見ておく
  • プレッシャーがかかっている時は、一番自信のあるショットをする
  • 天候の悪くなった時や、アップダウンのある地形からは無理せず堅実なプレーに徹する

最後に、史上最も偉大なアマチュアプレーヤー、ボビー・ジョーンズ(Bobby Jones)から、コースマネージメントのために一言。「今まで何度も言われてきた通り、ゴルフのプレーは、1ストロークずついくしかない。しかし、そのことを本当にわかるまで何年もかかった。」

自主トレキャンプのテキスト(抜粋)

今週8月10日(土)から12日(月)まで「自主トレ・サマーキャンプ(千曲高原)」ですので体調を整える努力はしています。(※坂本、堀江両先生も同じ日程でサマーキャンプを行います。
「自主トレキャンプ」で使用するテキストですが「読み物」としての資料を配布することが常です。その中から、ビブログで少しずつご披露して行こうと思います。
第1回は以下の通りです。※皆さんのお役に立てば!

■コースマネージメント
ゴルフにとって、「精神的、心理的強さ」となるもうひとつの分野は、「コースマネージメントの技能習得」である。コースマネージメントには、確かに感情が大きな役割を果たすが、感情や人格の特性とコースマネージメントとは分離したものである。
マネージメント技能の例としては、知覚、判断、ショットの選択、(天候状態、コース、ルール、用具に関する)特殊知識、プラン、クラブ選択、準備、及びペースの調整が挙げられる。 コースマネージメントをうまく言い換えると、“スマートなプレー”という表現になる。常識的な意味での手際の良さであって、頭脳の明晰さを意味するものではない。
建築家であり評論家でもあるR・バックミンスター・フーラーが“ダイマクション(Dymaxion)”と呼んだ「最小から最大を得る」行為である。
■スコアの法則
① 常に、特定のターゲットに対する手順をもつ。 ② ショットする時は、1ショット、1ショット、その瞬間に対して最善を尽くす。 ③ 気に入らないショットが出ても、自分を許し忘れて、そして次のショットにその瞬間の最善を尽くす。 ④ 18ホール全てをプレーし終わるまで、この手順を遵守する。 ⑤ スコアを記入する。 ⑥ ラウンド終了後、自分が出した成果を評価し、次に誤りを分析して、頭の中でやり直す。これでラウンドが本当に終わったことになる。 ⑦ 他の人と比較しない。比較するなら自分の中の理想的なゴルファーと比較する。 ⑧ 手順を繰り返し、自分の能力の限界を目指して、新しいスコアを記入する。

近況

猛暑が続いています!準備を怠らず快適なプレーを心掛けて下さい!第99回月例研修会は、9月29日(金)立野クラシックGCに12名中9名のお申込みを頂いています。(詳細はHPでご確認ください)また、第100回記念大会は11月29日(金)茨城ゴルフ倶楽部(東コース))には、「坂本先生をはじめ」16名中7名の申込みがあります。皆さんも一つの区切りとして是非、ご参加ください!(詳細は追ってHPで発表します)
私は、7月と8月は、体力的に心配なので、ホームコース(茨城GC)でのプレーをお休みすることにしています。ども、8月10日(土)~12日(月)は、恒例の自主トレを千曲高原CCで行いますので、宜しければ参加してください。その他は、涼しいところで少しだけプレーをしようと思っています。そこで、明日からは北海道、釧路CCに行って来ます、また、8月18日~23日は万座高原近くの草津高原CCと嬬恋高原ゴルフ場に行く予定です。
やはり私は、左目(利き目)の「黄斑変性」が悪化していて今までよりも見えない範囲が拡大しています。今週のまた眼球注射をして来ました!
★何かゴルフで聞きたいことや、ご相談があれば気軽にメールして下さい!
★また、本部のお近くにお越しの際は是非、お気軽にお立ち寄りください。